祖母のコーヒーが教えてくれたこと。シンビ CWS ハニーの純粋な甘さ

祖母のコーヒーが教えてくれたこと。シンビ CWS ハニーの純粋な甘さ

コーヒーを毎日自分で焙煎して、日課のように楽しんでいた女性がいました。 1960年代のルワンダで、それはとても珍しいことでした。

アブドゥル・ルダフンガ氏が自らウォッシングステーションを建てた理由は、祖母のその姿にあります。

 

悲劇の後に選んだ、質への転換

ルワンダのコーヒー産業は1994年の内戦によって壊滅しました。その灰の中から国が選んだ復興の道は、「量から質へ」——スペシャルティコーヒーの生産です。

2011年、アブドゥル氏は国や組合への依存ではなく、自分の信念だけを頼りに、完全な民間所有のウォッシングステーションを建てることにしました。祖母が毎日の一杯から受け取っていた豊かさを、より多くの人に届けたいという純粋な動機から。

「シンビ(Simbi)」という名前は、施設が位置するフエ郡シンビセクターに由来します。そして、ルワンダ語で同根の「Isimbi(イシンビ)」には「火山の頂に輝く純白の雪」——転じて「混じり気のない純粋なもの」という意味があります。欠点豆を徹底的に排除し、クリーンカップを追求するこのステーションのあり方と、その言葉はよく似ています。

 

千の丘の国の、理想的な土地

舞台はルワンダ南部、フエ(Huye)地区。ルワンダ語で「出会い」を意味するこの地名を持つ都市は、歴史的に王家の拠点であり、知の集積地でもありました。

ここには、スペシャルティコーヒーが育つための条件が揃っています。標高1,710mから1,850m。ミネラルを豊富に含む火山性の土壌。年間1,200〜1,400mmの安定した降雨と、17〜23℃という赤道直下とは思えない冷涼な気候。

日中に光合成で作られた糖分が、夜の冷え込みで消費されずに豆の内部に蓄積される。この仕組みが、ブラウンシュガーのような密度のある甘さの源泉です。

 

約80%が、女性の手仕事

現在、シンビCWSには周辺の約1,850人の小規模生産者からチェリーが届きます。収穫のピーク時に働くスタッフの約80%が女性。彼女たちは色鮮やかな衣服を身にまとい、アフリカンベッドに広げたコーヒー豆を絶え間なく撹拌しながら、欠点豆を一粒ずつ手作業で取り除きます。

この根気と集中力のいる手仕事こそが、「クリーンカップ(雑味のない透明感)」をつくる最大の要因です。操業初年度の2013年、ルワンダCOEにいきなり第9位(86.78点)で入賞した記録は、その証明のひとつです。

 

粘液質を残したまま乾燥させる、ハニー精製

今回のロットはハニープロセス。名前にハチミツは一切関係ありません。果肉を除去した後に、種子の周りの粘液質(ミューシレージ)をあえて残したまま乾燥させる精製方法です。

完熟チェリーを比重選別で丁寧に選んだ後、果皮だけを取り除き、ミューシレージが付着した状態でアフリカンベッドへ。ここから15〜18日間、太陽の下でゆっくりと乾燥します。

この工程で、ミューシレージに含まれる糖分が緩やかな酵素発酵を起こし、豆の内部へとじんわり浸透していきます。ウォッシュドのクリーンさと、ナチュラルの甘みの中間——それがハニープロセスが生み出す味わいの理由です。

ただし、果肉由来の成分が残っているため、乾燥ムラや過発酵のリスクは高い。だからこそ、女性スタッフたちの絶え間ない撹拌と監視が欠かせません。

 

カップに宿るもの

ブラウンシュガーのような重厚な甘み。ジャスミンのフローラルな香り。オレンジのブライトな酸。そして紅茶を思わせるティーライクなニュアンス。

この組み合わせは、高地のレッドブルボン種がハニープロセスを経たときにだけ生まれる、独特のプロファイルです。飲み進めるほどに甘みの輪郭がはっきりしてきて、後口にピーチのような余韻が残ります。

重すぎず、軽すぎない。エレガントという言葉がよく似合う一杯です。

 

店主のひとこと:

熱すぎるお湯はハニー由来の糖分を焦がし、苦みや渋みを引き出してしまいます。沸騰したお湯をドリップポットに移し替えるだけで、自然に90〜92℃になります。その温度が、ブラウンシュガーの甘みとジャスミンのフローラルな香りを両立させるスイートスポット。少し温度が落ちてきたところでも、ピーチのような果実感が顔を出してくるので、急がずゆっくりと飲んでみてください。

 

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祖母の一杯から始まった物語が、ルワンダの丘から届きました。
商品ページ:https://elegantcoffee.jp/products/specialty-rwanda-simbi-honey

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